第9号 押し担ぎの柳沢峠白馬村クラブラン
押し担ぎの柳沢峠 クラブラン 1983年10月9日 参加者 石瀬、平林、二塚、麻生、宅美、野村、 鉢呂、溝口、宇川、福沢、西田、市岡 |
紀行文 二塚 糸魚川から葛葉峠を越えるあたり、雨に加えて風も強くなりアクセルペダルを踏む力もつい強くなりがちである。今日の拠点信濃森上駅前の駐車場に着いた頃には、その雨も弱まる。 駅前の案内図で今日の第一の目的地「柳沢峠」、1,181mへの遊歩道をしっかり頭にたたみ込む。 一時間余りの雨空を眺めながらのいざ出発である。姫川を渡りすぐに舗装の登り。ポンチョをF.BAGに収め左に巻いた処からの脇道がいよいよメーンイベント、柳沢峠への峠道である。 意外と草が生い茂り、人が歩いた跡が全く見当たらない。道を捜しながら藪漕ぎは愛車に乗るどころか、押すしかない道だ。落ち葉や熊笹を踏み締める音だけが響く。意外にハードな道に皆心を引き締める。その上に雨後の道は足元が滑り易くなっている。 小さな沢を渡る度に、丸太の上をそろりそろりの行列が続く。土砂崩れで、深い斜面の谷間の道が、丸太共崩れ落ちている。一台、一台自転車を手渡しでなおも進む。ここまで来たら引き返す訳にもいかない。前進あるのみである。 バランスを崩して足を滑らせれば、それこそ深い谷底へ一直線という箇所が、何箇所も続く。谷川に自転車、身体は山側に進む。 沢を外れて山中深く高度を稼ぐつづら折りとなる。林の中の道は薄暗く、湿っぽい。峠への標識がときたま目に付き我々を勇気づけてくれる。が、なかなか峠は目に入って来ない。出発してからやがて2時間の押し、担ぎ。・・・・ようやく峠へ。 無事に辿り着いた安堵感が体一杯に浸みる。 峠は辺り一面熊笹の生い繁る静かな峠で、少し高台に展望台があり、スタンプを押す。木立の間隙から、今しがた登ってきた白馬方面が雲の中に霞んでいる。展望の期待された白馬連山か頭の方は雲の中。自然の静寂さに溶け込んで一息つく。 立ち去り難い峠を後に、田之頭に向かう。 登りより少しはましだが、沢の出合から又、土砂崩れが始まる。 まさかこんな山の中で人間に出会うとは思わなかったが、2人のハイキングのおばさんに会う。自転車を引いた集団が下って来たので向こうはビックリしていた。我々も先頭を引いていた平林君が、熊が出ないかとチンカンベルチンカン、チンカンと鳴らしながらの下りの最中で、人に出会って嬉しくもあった。 この後も何箇所も土砂崩れをソロリ、ソロリと丸太の道を緊張しながら渡る。 正面下の方にようやく田之頭の家並み、舗装の道が目に入る。今迄無口だったメンバーに会話が戻り、賑やかになる。登りに2時間、下りに1時間の押し担ぎの連続では、ロードレーサーの方が良かったと言う勇者もいる。 国民宿舎鬼無里荘の駐車場で愛車を洗い、今越えてきたばかりの峠道を静かに思い出すのであった。 自転車を持ち込むには、あまりにもハードな峠ではなかったか?これは完全に遊歩道で山歩きのコースではなかったかと? 我々は再びこの峠道に自転車を持ち込むことはないであろう。だからこそ、今回自転車で越えた事がより印象深く残る。 まして12人という大集団のクラブ員が全員無事で越えたという事も、大きな意義があり、そういう面でも大満足の峠越えであった。 完
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信濃森上駅前 沢にかかる丸太の橋を渡る 丸太の橋を渡るx2 柳沢峠 柳沢峠,展望台? 峠からの下りにて |
柳沢峠−嶺方峠
たしかNewサイに記事が載ってなかったっけ?
柳沢峠より嶺方峠のすばらしさが強調されていたが、、
90年頃だったかな?私も行ってみました
雨が降ってきたのと、通行止めの看板を見てめでたく断念しました
↑の写真を見てなかったら行ってたかも?
それから
柳沢峠の紀行文は実はもう一つあります
U川君がサイスポに投稿した紀行文なのですが
1985年6月の増刊号に掲載されました
この記事を管理人がアレンジしてまとめてみました
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