第9号 小瀬峠 −T.C.F クラブラン−
雨の細尾峠、小瀬峠 −T.C.F クラブラン− 1983年11月6日 参加者 石瀬、平林、二塚、麻生、宅美、西田、宇川、福沢、摺出寺 |
小瀬峠 by 宅美 「小瀬峠にいくぞ!」ということになった。新・旧の両小瀬峠を再び訪ねようではないか!よぉーし、よぉーし!という訳で、晩秋の11月6日、T.C.Fメンバー9名は、どんより曇った雲海の底を一路、城端へ向かったのであった。 城端に着いたわしらは目前に迫ったR304の登り坂を前に小休止である。たぶん、その時には色々と何かをしたのであろうが、事後7ヶ月も経ってからの執筆なので漠然とした記憶があるのみ。梅雨の夜21時過ぎ、田んぼでカエルが鳴いています。いいですねぇ日本の夏。という訳で詳細な描写はできないのである。 細尾峠までの登りは距離的にも感覚的にも異常に長い。焦っては疲れるだけさ。じっと耐えていれば君もなんとかなるだろうよ、というサラリーマン社会そのものの様である。わしより先行する者は、これはもう上司というヤツである。「イヤミな係長」という言葉が脳裏をよぎる。後でフウフウ、はぁはぁと荒い息をしているヤツを見たとたんに心はなごむのだ。「新入社員」、「ガッツある後輩」という感じである。しかし、再び前を見たとたんに心はすさむのである。「努力の報われない社会」、返せ青春!」という感じである。 そして、ふと辺りを見回すとはるか下に下界が見える。そこで初めて俺のいる位置もまんざら悪くもないな、という事に気付くのである。そうしてまた上を見、下を見、廻りを見して霧の細尾峠に着いたのであった。 トンネル手前より小瀬への林道に入る。今回は林道途中から旧小瀬峠への道を探すという目的があるのだが、霧が深く地図での確認もままならぬうちに新小瀬峠に着く。 早速、寒風吹くなかで身を寄せ合いながら昼食の宴が開かれた。メニューは毎度毎度の物ばかりである。 宴も終わりに近づき、旧小瀬峠へ行くか否かの審議会が開かれたが圧倒的多をもって断念する事に決定。孤独の男、平林氏はさっさと一人帰路についてしまった。残された8人は平林氏の安否を気遣う様子は全く見せず、果たし得なかった旧小瀬峠への想いを胸に、再び資本主義渦巻く下界の人となるべく山を下り始めるのであった。人喰い谷に吹く風は冬が近いことを告げていた。 END 小瀬峠越えの道は五箇山街道の間道で、西赤尾の行徳寺と城端町の全徳寺を結ぶ宗教・信仰の道で、人々は峠越えの安全と村内安全を祈って、峠には緑色凝灰岩という石で作ったあまり大きくない地蔵がある。 |
袴腰林道 バックは旧細尾トンネル方面 |
旧小瀬峠 祠は雪害のため崩壊! |
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旧小瀬峠 |
砺波平野を望む |
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袴腰山 枝に隠れているがうっすらと林道が見える 小瀬に通じて菅沼に至る |
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小瀬峠
ヤッパリ紅葉の時期に訪れるのが良いでしょう
前にも記述しましたが、熊に注意!
皆で行けば怖くない、、?